Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lesen Sie 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.621 Zeichen · 195 Bildschirme
美津子さんは甘くないと仰有って、ずいぶんお入れになりましたが、父も酒のみのくせに甘い物が好きですので、私が入れて差上げたものに、自分で一匙たしたように覚えております」
「そのお砂糖をひとつ見せていたゞきましょう」
由子は私たちを食堂へ案内して、豪華な戸棚の中から銀製の砂糖壺をとりだした。警察医はそれをちょッと舐め、中を眺めていたが、
「なるほど、光るのと、光らないのと、半々ぐらいにまじっていますな。どッちが催眠薬だか見当がつきませんが、光らない催眠薬もあるし、あちらの砂糖と同じようにキラキラした催眠薬もあります」
そう云って、医師はちょッと考えていたが、
「そう、そう。さっきのお嬢さんの部屋のテーブルの上に、何か飲み物があったっけ。殆ど飲みほしてあったがたしか、ココアかコーヒーのようでしたよ」
「あゝ、そうです、ココアです」
と、由子が叫んだ。
「美津子さんは一杯目をのんでから、お部屋へ行く時、もう一杯、持ってらしたのです」
「では、どうも、おねむいところを御苦労様でした。また、明日、おきゝしなければならないことがあるでしょうが、今晩はゆっくり休んで下さい。