Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほほえみ

微笑

夢野 久作

Lesen Sie 微笑 (ほほえみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 770 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

それは可愛らしい、お河童さんの人形であった。丸裸体のまま……どこをみつめているかわからないまま……ニッコリと笑っていた。

……時間と空間とを無視した……すべての空虚を代表した微笑であった。

……真実無上の美くしさ……私は、その美くしさが羨ましくなった。云い知れず憎々しくなった。そのスベスベした肌の光りが無性に悲しく、腹立たしく、自烈度くなった。

その人形を壊してしまいたくなった。その微笑をメチャメチャにしたくなった。私は人形を抱き上げて、静かに首をねじって見た。するとその首は、殆んど音も立てないで、ポックリと折れた中から、竹の咽喉笛がヒョイと出て来た……人を馬鹿にしたように……。

私は面白くなった。

拳固を固めてポカリと頭をたたき割ったら、鋸屑の脳味噌がバラバラと崩れ落ちて来た。胴を掴み破ると、ボール紙の肋骨が飛び出した。その下から又、薄板の隔膜と反故紙の腸があらわれた。手足をポキポキとヘシ折ったら、中味は灰色の土の肉ばかりで、骨の処は空虚になっていることがわかった。

けれども人形は死ななかった。何もかもバラバラになったまま、可愛らしくニコニコしていた。