Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びしょう

微笑

横光 利一

Lesen Sie 微笑 (びしょう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.911 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「そうだな。」

漸やく泣き停ったような栖方の正しい靴音が、また梶に聞えて来た。六本木の停留所の灯が二人の前へさして来て、その下に塊っている二三の人影の中へ二人は立つと、電車が間もなく坂を昇って来た。

秋風がたって九月ちかくなったころ、高田が梶の所へ来た。栖方の学位論文通過の祝賀会を明日催したいから、梶に是非出席してほしい、場所は横須賀で少し遠方だが、栖方から是非とも梶だけは連れて来て貰いたいと依頼されたということで、会を句会にしたいという。句会の祝賀会なら出席することにして、梶は高田の誘いに出て来る明日を待った。

「どういう人が今日は出るのです。」

と、梶は次の日、横須賀行の列車の中で高田に訊ねた。大尉級の海軍の将校数名と俳句に興味を持つ人たちばかりで、山の上にある飛行機製作技師の自宅で催すのだと、高田の答えであった。

「この技師は俳句も上手いが、優秀な豪い技師ですよ。僕と俳句友達ですから、遠慮の要らない間柄なんです。」と高田は附加して云った。

「しかし、憲兵に来られちゃね。」

「さァ、しかし、そこは句会ですから、何とかうまくやるでしょう。」

途中の間も、梶と高田は栖方が狂人か否かの疑問については、どちらからも触れなかった。