Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こころはおおぞらをおよぐ

心は大空を泳ぐ

小川 未明

Lesen Sie 心は大空を泳ぐ (こころはおおぞらをおよぐ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.813 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、黒いほうの大きなこいを、さそうのでした。

「どこへ、つれていってくれる。」と、こいが聞きました。

「君のいきたいところへ、どこへでも、つれていくよ。」と、風はいいました。

「あの雲の上まで、つれていってくれる。」と、こいは聞きました。

「いいとも、雲の上にのれば、それは楽なものさ。それに、海の上でも、山の上でも、世界じゅうを見てあるくことが、できるもの。」と、風は、いいました。

「ほんとうかい。はやく、ぼくをつれていっておくれ。」と、こいになった勇吉が、たのみました。

「いま、その綱を切るからね。」と、風はさけんで、こいのからだを、はりさけそうに、ふくらまして、力いっぱい、吹いて、吹いて、吹きとばそうとしました。けれど、太い綱を切ることができなかったのです。そのうち、風は力がつきてしまい、いつしか、ひっそりとして、二匹のこいも元気なく、だらりと、さおの先にたれさがりました。勇吉は、家を思い出して、かえっていきました。

真夜中のことでした。ふと耳をすますと、雨風がつのっていました。

「学校のこいのぼりは、どうなったろう。」と、勇吉は、とび起きました。

「小使いさんが、おろしなさったでしょう。