Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

「尚更存じません」

「ロザルスキー判事を知っているか」

「聞いたこともありません」

何を訊いても老人は知らぬ存ぜぬといった。何処で火薬を求めたか、どうして爆弾を作ったか、使用したタイプライターが何処にあるかということなど何一つ彼は返答することが出来なかった。

「それでは何故白状したか?」

老人は悲しそうな顔をして暫らく黙っていたが、やがて言った。

「でも白状せよとの仰せでしたから」

かくて老人の「白状」も、この事件の謎を解く鍵とはならず、事件は又もや迷宮に入った。オファレルが犯人でないことは明かとなったが、しからば以上三回の犯罪を行った本人は誰であるか。かような恐ろしい犯罪者が、今以て、市中を横行闊歩しているかと思うと、警察も焦燥せずにはいられなかった。

あまつさえ、新聞は再び警察を攻撃したので、警察や探偵たちは躍起となって活動したが、犯罪の動機がよくわからないために、全く暗中模索の有様であった。ヘララ一家のものには、別に他人から恨みを受けるような事情がなかった。問題の日にヘララのアパートメントに出入した人々の穿鑿に取りかかっても、これという怪しい人物は見当らなかった。