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Japanische Klassiker mit Furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

二人は暫くの間、互いに顔を見合せました。腹立たしさと絶望とのために、二人の顔は急に蒼ざめました。

「ないんだよ、おい!」と、気の早い仙波は額に青い筋を立てていいました。

「ないはずがあるものか」と、京山は、不審そうな顔をしました。

「だってないじゃないか」

「もっと捜して見い。その大きな肝臓とやらの中にはないのか」

「こんなところへ行くものか」

「それじゃ、箕島が、口の中へふくんでいただろうか」

そういえば、そうと考えられぬこともないので、仙波は、

「畜生、また奴に一ぱい食わされたのかな。奴め、どこまでも祟りやがる」

といいながら、あたかも、箕島に復讐するかのように、ナイフをもって、肝臓や脾臓を寸断々々に切りました。そうして、残った臓器の塊を、あちらこちらにひっくりかえしながら、なおもナイフを突きさすのでした。

「おい、よせよ。無いものは仕方がないじゃあないか。俺はもうあきらめたよ。折角貴様の力でここまでやって来たが、こんどはよっぽど悪運につけこまれたんだ。貴様もあきらめてしめえ」と吐き出すようにいいました。

妙なものです。始めは京山の方があきらめかねて事を企てたのですに、今は、仙波の方があきらめかねるのでした。