Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぞうとうなん
心臓盗難
海野 十三
Lesen Sie 心臓盗難 (しんぞうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.434 Zeichen · 21 Bildschirme
「ああ、分りました。その野郎なら知っていますよ。どうもいやな野郎だと思っていたが、僕が入院しているのを奇貨として、あの娘をくどいているんですか。けしからん奴だ、あの野郎――月尾寒三というんですよ、そののっぽ野郎は……」
「ほう、月尾寒三ですか」
袋探偵はうっかりしていて、烏啼のラブ・ネームを調べることを忘れていた。そうだった。ぼくは烏啼天駆です、愛しきお嬢さん――では恋を得ることは困難であろう。
「駄目ねえ、探偵さんが僕の恋敵の名前を知らないなんて。が、それはまあ大したことじゃない。僕にとって我慢ならぬのは、その月尾寒三の野郎です。よろしい、僕は決心しました。これから倶楽部へ行って、月尾寒三をのしあげて、今福嬢を奪還します。ではいずれ後で……」
「えっ、それは待った。もしもし。もしもし……」
探偵は送話口に噛みつくように叫んだが、安東の返事は遂になかった。
一点奪還
桃色の風雲は突如としてロザリ倶楽部に捲きおこり、そして次にはそれが新聞やグラフィックに取上げられて、でかでかに報道された。曰く“心臓盗難男の恋の鞘当て”曰く“奇賊烏啼も登場の今様四角恋愛合戦”また曰く“無心臓男の恋の栄冠”と。