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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぞうとうなん

心臓盗難

海野 十三

Lesen Sie 心臓盗難 (しんぞうとうなん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.434 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

甚だ微かではあったが、それは……。

スットン、スットン、スットン、スットン……。

どこまで行っても、スットン、スットンとその音は切れない。六十サイクルで二デシベルの音響だと、耳のいい探偵は悟った。一体どこからその音は発しているのであろうか。

「おおッ……」

われにもなく袋猫々は、おどろきの声を発した。彼は軒下にふしぎなものを見たのだ。

その店舗は果実店であったが、もちろん戸はぴったり閉じられていたが、カンバス製の日蔽いが陽も照っていないのに、軒からぐっと前へ伸びて屋根をつくっていた。彼がおどろいたのはこの日蔽いではない。

その日蔽いの下にあたる舗石の上に、白い藁蒲団が敷いてあった。そしてその上に、やはり真白な毛布にくるまった一人の若い紳士が横たわっていたのである。その紳士の胸のところには、黒い風呂敷に包んだ骨壺の箱ほどの大きなものを首からぶら下げていた。

「もしもし、あなた。こんなところであなたは病院の夢を見ておいでなんですか。それとも病院から放りだされた……」

「く、苦しい。た、助けてくれイ……」

藁蒲団の上の若紳士は、袋探偵の質問をみなまで聞かずに、救いをもとめた。