Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうぎ
忠義
Lesen Sie 忠義 (ちゅうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.171 Zeichen · 27 Bildschirme
――第一に、その年三月中旬、品川伊佐羅子の上屋敷が、火事で焼けた。これは、邸内に妙見大菩薩があって、その神前の水吹石と云う石が、火災のある毎に水を吹くので、未嘗、焼けたと云う事のない屋敷である。第二に、五月上旬、門へ打つ守り札を、魚籃の愛染院から奉ったのを見ると、御武運長久御息災とある可き所に災の字が書いてない。これは、上野宿坊の院代へ問い合せた上、早速愛染院に書き直させた。第三に、八月上旬、屋敷の広間あたりから、夜な夜な大きな怪火が出て、芝の方へ飛んで行ったと云う。
そのほか、八月十四日の昼には、天文に通じている家来の才木茂右衛門と云う男が目付へ来て、「明十五日は、殿の御身に大変があるかも知れませぬ。昨夜天文を見ますと、将星が落ちそうになって居ります。どうか御慎み第一に、御他出なぞなさいませんよう。」と、こう云った。目付は、元来余り天文なぞに信を措いていない。が、日頃この男の予言は、主人が尊敬しているので、取あえず近習の者に話して、その旨を越中守の耳へ入れた。そこで、十五日に催す能狂言とか、登城の帰りに客に行くとか云う事は、見合せる事になったが、御奉公の一つと云う廉で、出仕だけは止めにならなかったらしい。