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Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいでのき

思い出の記

小泉 節子

Lesen Sie 思い出の記 (おもいでのき) von 小泉 節子 (こいずみせつこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.841 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

活溌な婦人よりも優しい淑かな女が好きでした。眼なども西洋人のように上向きでなく、下向きに見て居るのを好みました。観音様とか、地蔵様とかあのような眼が好きでございました。私共が写真をとろうとする時も、少し下を向いて写せと申しましたが、自分のも、そのようになって居るのが多いのでございます。

長男が生れる前に子供が愛らしいと云うので、子供を借りて宅に置いていた事もありました。

長男が生れようとする時には大層な心配と喜びでございました。私に難儀させて気の毒だと云う事と、無事で生れて下されと云う事を幾度も申しました。こんな時には勉強して居るのが一番よいと申しまして、離れ座敷で書いていました。始めてうぶ声を聞いた時には、何とも云えない一種妙な心持がしたそうです。その心もちは一生になかったと云っていました。赤坊と初対面の時には全く無言で、ウンともスンとも云わないのです。後に、この時には息がなかったと申しました。よくこの時の事を思い出して申しました。

それから非常に可愛がりました。その翌年独りで横浜に参りまして(独り旅は長崎に一週間程のつもりで出かけて、一晩でこりごりしたと云って帰った時と、これだけでした)色々のおもちやを沢山買って大喜びで帰りました。