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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

そこでお侍さんも寄って茶を飲み、女と話したそうですが、いざお勘定となると同じことが行われたそうで。……女が小判を出す、葉茶屋には釣銭がない。

『申し兼ねますがお立て替えを』

『よろしゅうござる』

……こうしてそこを出、野道へさしかかった時、お侍さんが開き直り、

『拙者立て替えた銭お払いなされ」

……すると女はさもさも軽蔑したように、

『あればかりの小銭……』

――とたんにお侍さんは女を斬り仆し……いや、峰打ちで気絶するまで叩き倒したそうで」

「なるほど」

「お侍さんの心持ちはこうだったそうで『弱いを看板に、女が男をたぶらかしたとあっては許されぬ』と……」

「こりゃアもっともだ」

と云ったのは、易者だという触れ込みの、総髪の男であったが、

「ご主人、何んと思われるかな?」

と、佐五衛門の方を見た。

佐五衛門は、少し当惑したような表情をしたが、

「さようで。女が男をたぶらかすということ、こいつアよろしくございませんなあ。……重ね重ね、そのお侍さんはご不運で」

薪が刎ねて炉の火がパッと焔を立てた。

湯治客たちは一斉に胸を反らせたが、五人が五人ながらたがいに顔を見合わせた。