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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

とそこへ新鋳の小判十枚が届けられて来たそうです。ナーニ、その小判の自慢をしたかったので大屋の禿頭、店子たちを招待んだんで。さて自慢をしたはいいが、ご馳走が終ってみんな帰った後で、小判を調べてみると、一枚不足しているんで。盗られた! と思ったとたんに自分と一番近く並んでいた貧乏なお侍さんの、物欲しそうだった顔が眼に浮かんで来たそうで。そこで『盗んだなアあいつだ』と云いふらしたそうで。これが長屋中の評判になったんですねえ。お侍さんはとうとう居たたまらずに長屋を出たそうですが、出る際黙って小判一枚を大屋さんの門口から抛りこんだそうで。『やっぱりあいつがやったんだわい』と大屋さんはまたこのことを云いふらしたそうですが、その実お侍さんは、大事な刀を売りはらって、その金で償ったのだそうです。ところがどうでしょうその年の大晦日になって、煤払いをしたところ、なくなったと思った新鋳の小判が畳の下から出て来たそうで。さあさすがの大屋さんも参りましたねえ。『あのお侍さんにあやまらなければならねえ』とその行方をさがしましたが、行方がわからない。当惑しながら日を送り、三月になるとお花見、向島へお花見に行ったところ、そのお侍さんが花の下で、謡をうたって合力を乞うていたそうで。