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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

「よかろう。案内を乞うことにしよう」こう紋太郎はすぐ応じた。内記は少からず躊躇したがそれでもやがて決心して二人の朋輩の後を追った。

三人は玄関の前まで来た。

「頼む」と主馬が声を掛けたが誰も返辞をする者がない。家内は森然と静かである。

「深夜まことに恐縮ながら是非にご面会致したければどなたかご案内くだされい」

再び主馬は声を掛けたがやはり家内からは返辞がない。人のいない空屋のようで陰々として物凄い。三人はにわかに気味悪くなった。

とたんに、ヒェーッと絹を裂くような鋭い掛け声が奥の方から沈黙を破って聞こえたかと思うと、シューッ空を切る矢音がして、すぐ小手返る弦の音がピシッと心地よく響き渡った。「あッ」と三人はそれを聞くとほとんど同時に叫びを上げたが、それは驚くのが理である。掛け声、矢走り、弦返り、それが寸分の隙さえなく日置流射法の神髄にピタリと箝まっているからである。

主馬が真っ先に逃げ出したのはよくよく驚いたのに相違ない。三人往来へ走り出るとホッと額の汗を拭った。

「我ら日置流の射法を学びここに十年を経申すがこれほど凄じい弓勢にはかつて逢ったことございませぬ」