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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme

Aozora Bunko

「百も承知さ」と嘲笑うように、「お前さんにいわれるまでもない」

「で、どうだい?」とあやぶむように、「まとまりそうかな、その話は?」

「そうだねえ」と女の声、ここでいくらか不安らしくなった。「はっきり、どっちともいわれないよ」

「腕がないの」と憎々しく、男の声は笑ったらしい。「それでもお前といわれるか」

「お互いッこさ」と負けてはいない。「そういうお前さんにしてからが、大して腕はないではないか」女の声も憎々しくなった。「こんな土壇場へ迫り詰まるまでいったい、何をしていたんだい」

「止せ!」といったものの男の声は、どうやら鼻白んだ様子である。「争いは止めよう、つまらない」

ここでしばらく沈黙した。

茂みに隠れ、地にへばりつき、聞き耳を立てていた旗二郎、「解らないなあ」と呟いた。「何をいったいいっているのだろう?」

しかしどっちみち男も女も、善人であろうとは思われなかった。ここの屋敷の人達に対し、よくないことを企んでいる――そういう人間どもであることは疑がいないように思われた。

「事件は複雑になって来た。いよいよもって怪しい屋敷だ。……門外の男は何者だろう? 眼の前にいる女は何者だろう?」