Japanische Klassiker mit Furigana
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 怪しの館 短編 (あやしのやかた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.915 Zeichen · 165 Bildschirme
四人のお方は半信半疑、まさかと思われるようなお顔をして、黙って聞いておりましたが、
「ああそれだからあの時重助さんは、あんなことをわたしに訊いたのですね」と、望東尼様が仰せになり、「まさかそのような犬神の屋敷などに、ご上人様がおいでになろうとは思われませぬが、といってここに思案ばかりして、無為におりますのもいかがなものか。……せっかく重助様がああおっしゃることゆえ、ともかくもそこへ行って探ってみては?」
「それがよろしい」と平野国臣様が、すぐにご賛成なさいました。
「疑がわしきは調べた方がよろしい」
「では拙者も参るとしましょう」こう右門様もおっしゃいました。
斗丈様ばかりを庵へ残し、わたしたち四人が五反麻を立って、犬神の屋敷へ向かったのは、それから間もなくのことであり、後夜をすこしく過ごした頃には、屋敷の前に立っていました。
「まず拙者が」と云いながら、北条右門様が土塀を乗り越し、内側から潜り戸をあけましたので、わたしたちは構内へ入り込みました。
「静かに! ……いる、誰かいる。……それも大勢いるらしい」
植え込みの間を分けながら、千木の立っている建物の方へ、わたしたちが数間歩きました時、囁くような声で国臣様は云われ、にわかに足を止められました。