Japanische Klassiker mit Furigana
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme
三千メートル、二千八百――
「これは変だなあ。そんな厚ぼったい雲があるだろうか」
兵曹長は、あまりに厚い雲に対して不平をいいながら、愛機を操縦して、なおもぐんぐん下りていきました。
あたりはますます暗くなる一方で、まるで壁の中にぬりこめられたような感じです。いつの間にか飛行服の上を、雨が滝のようにながれています。空中生活になれた兵曹長も、こんな目にあうのははじめてです。普通の人だったら、泣きだしたかもしれません。
兵曹長は操縦桿をにぎりしめたまま、なおもぐんぐん落ちていきました。
九百メートル、七百メートル――
雲はまだ、そこら中に漂っています。
そのうちに、彼は雲をとおして、はるかの下に、くろずんだものを見つけました。
「あっ、見えた。陸地か、海面か」
ごうっと落ちていく機体の前に、下からむくむくともりあがるように上って来たのは、白い波頭をふりたてて怒っている大海原でありました。まるでガラスの棒のような雨は、海面をめちゃくちゃに叩きつけています。
「これはたいへん。ものすごい荒天だ」
飛行機は、水の中を飛んでいるように見えます。視界ははなはだせまい。