Japanische Klassiker mit Furigana
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lesen Sie 怪塔王 (かいとうおう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.635 Zeichen · 337 Bildschirme
一彦少年は、一たばの綱をもって、いつでもぱっと投げられるようにと身がまえをしていました。
まっさきに立っている帆村が、下をむいて手で合図をいたしました。
(おい一彦君、いよいよ階段をのぼりきるぞ。怪塔王はすぐそこにいるんだ。かくごはいいか)
と、いったような意味をこめて、いよいよ最後の決心をかためさせたのです。勇ましいといっても一彦はほんの少年です。ついて来るといって聞かないので、やむをえず一しょにつれてきましたが、これからさきの危険をおもうとき、帆村おじさんの心配はひととおりではありません。
帆村探偵は、階段のすき間から、そっと三階の様子をうかがいました。
部屋のなかには、弱いスタンドが一つ、ほのあかるい光を放っているだけでありました。円形になった室内には、たくさんの本棚がならんでいます。テーブルの上には、わけのわからない機械が組立中のまま放りぱなしになっています。また高い脚のある寝台も見えました。
帆村は、一彦に合図をして、じっと耳をすませました。どこからか、ごうごうという鼾のおとがきこえてまいります。
(しめた、怪塔王は、あの寝台のうえで眠っているんだな)