Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme

Aozora Bunko

「あッ! いけない。海馬や鯨だったら、こうしてはいられない。いまに尾鰭で一つあおられると、参ってしまう。こいつは剣呑剣呑……」

そこで、周章てて、怪物の身辺を離れた。が、離れて暗闇の海に漂うと、やっぱり心細い。気力を失いかけている僕は、このまま数時間、寒汐に漂うたら、ふたたび意識を失ってしまうだろう。

「よしッ! 海馬でも、海象でも、何でもいい。そいつの背中を借りて、一息入れるとしようか」

僕は、またも、怪物に近づいた。そして、小山のような背中によじ登ろうと試みた。海馬や、海象なら、こうして僕に、いくたびか取縋られると、うるさくなって、海へもぐり込むにちがいない。だのに、一向気にもとめず、僕の為すままに任している。

「こいつア、海馬や、海象よりも、もっと大きな怪物かもしれんぞ」

僕は、いくたびか辷り落ちて、やっと、怪物の背中へ這い上ることが出来た。そこは、やはりつべつべしているが、小丘のように広い。足もとに気をつけて、歩いてみると、可成りある。

「駆逐艦ぐらいあるぞ。鯨かな」

僕は、不安におもったが、ええままよとばかり、怪物の背中で肘を枕に横になった。