Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
僕の心臓は、安南人の巨きな心臓だ。僕の鉄腕は、戦いを要求している。この後甲板で、どっちが勝つか、一騎打ちの勝負をしよう」
振かえった怪老人は、急に、会心の笑いをもらした。
「ハハハ。それだ、わしの求めていたことは」
「え!」
「つまり、わしは、心臓は、動物の生命の原動力であるかどうかを実験したのじゃ。小僧、おまえの小さな心臓の代りに、あの安南人の大きな心臓を移し替えてみると、わしの学説のとおり、おまえは、あの大きな安南人のように、勇敢に、力強くなったじゃないか。ハハハハハ。もうそれでよい。わしと妥協しよう」
「それじゃ、いまのは嘘ですか。眼球を取替ようというのは」
「嘘ではないが、しばらく中止さ。ハハ……」
それから、二月は無事に過ぎた。
怪老人は、ふたたびメスを揮おうとはせぬ。が、油断はならない。隙をうかがってまた、奇怪な解剖をやらぬともかぎらぬ。陳君は、それで、夜もろくに眠らず警戒しつづけた。
幽霊船は、長い漂流をつづけているうち、次第に南海の方へ進んでいるようだ。北洋で見うけた、氷の砕片や、寒流特有の海の色は、いつか消えて、暖かい風が甲板を吹いていたが、このごろでは、むしろ、熱風が肌に感じられるようになり、椰子の実が、ひょうひょうと波にうかんでいるのを見うける。