Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme
君までが、……」
そういううちにも、死の船、――幽霊船は、意識してか、だんだんと方船の方へ近づいて来る。
おお、死の船? 恐怖の船?……
船と船とが、すれ違いになったとき、方船は黒船の舷側にぴったりと吸付いてしまった。いや、吸付いたとみたのは、汐のために、舷々相摩したのだ。方船の生残者たちは、
「あッ!」と一斉に叫んで、身を避けようとしたので、方船は一方に傾いて、危うく顛覆しそうだった。
僕は、恐怖と好奇の眼で、幽霊船の甲板を見上げた。それは僕がかつて恐ろしい目にあった虎丸だ。約三ヶ月目で相会したどろぼう船だが、もう舷側にはカキ殻が夥しく附着し、甲板には人影もなく、船体から烈しい臭気が発散している。「博士、死の船です。幽霊船です。甲板から不気味な妖気が立っています」
「うむ」と、老博士も好奇の眼を上げた。
「君たちはどうだ。幽霊船を探ってみないか」僕は、生残った技術員たちに呼びかけたが、彼等は、
「いや、真ッ平だ」
「あんな船に乗移ると、生命が奪われる」
と、口々に呟いて、顫えている。
「なんだ、意気地なし」
僕は、虎丸の舷側に垂れ下っている、タラップの端をつかんで、足をかけ、猿のように甲板へ登って往った。