Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
壊血病が皆を侵しかけている。食糧も尽きかけている。こういう状態で、もう一度スタノヴォイまで引きかえすことはとうてい不可能だった。博士も三人の漁夫も、この地底の島で死ぬことに覚悟をきめたらしく見えた。
われわれは、食糧の欠乏を補うために魚を釣ることを思いついた。鱈に似た魚がいくつも釣れてきた。ジュラ紀の古鱈科のエロニクティスというやつらしいという博士の意見だった。
一千万年前の鱈! われわれは、それを貪り喰った。
次の日、清水と亀井が軟足類の奇妙な貝を拾って来た。見ると、それは、石炭紀のあの貴重なプレウロトマリアだった。生きている長者貝! これが、博士を夢中にした。狂気したように、西側の断崖の方へ駆けて行ったが、それっきり帰って来なかった。
海鳩の卵と古鱈の常食が、われわれの壊血病に拍車をかける。今朝、突然亀井が失語してしまった。ようするに遅速の問題である。早晩、同じ運命が他の三人をも襲うことになろう。希望のない生活がつづく。死が徐々にやってくる。ああ、太陽! まもなく、われわれはあのなつかしい光も見ずに、深海の盲目魚のように、死ぬ。(九月十日記)