Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
「あなたは精神病理をなすったそうですけれど、ハムレットの性格をどうおかんがえになりますの。一般には正義多感な青年ということになっていますけどあれは大嘘ね、たとえば三幕四場で母を責めているとき『いかなるご用あって尊霊にはここへ?』などと口走ったり、なに乱心狂気でない証拠はいま言うたことを一言もまちがえずにいうてみましょうなどと、むきになって正気の強弁をしていますが、じぶんが気狂いでないと抗言する病識欠如はよく気狂いにみられる徴候で、記憶がよく、おなじ言葉をまちがいなくくりかえすことも、ある種の、精神病にはよくあることなのでしょう……シェークスピアというのはみょうな男ね。気狂いを主人公にして、正気の人間を大勢まわりでうろうろさせるなんてずいぶんふざけた趣向でないこと。けっきょくハムレットの悲劇は、気狂いの妄想でまわりの人間がつぎつぎに犠牲になって行く、『狂気の悲劇』とでもいうようなものなのね。いったいあんなものに芸術的な価値なんかあるものかしら。トルストイは三文のねうちもないようにくさしていますが、それはあたしも同感よ。あんな『狂人劇』、真面目になって見てやるほどの代物じゃありませんわ」