Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
阪井はむかしから均衡のとれた常識をもち、どんな場合でもけっして昂奮しないことはわたしも知っていましたが、これほど徹底した悪党だとはその日までいちども考えたことはなかったのです。
「人殺しは、いつも他人にやらせることにきめておけば、君の良心は終生痛まない理屈だが、すこし虫がよすぎはしないかね。君のほうはそれで都合がよかろうが、おれのほうは浮かばれない。おれにだって良心のかけらくらいはあろうというもんだからな」というと、阪井はゆっくりと葉巻の灰を落しながら、
「祖父江君、落着いてよくかんがえてみたまえ……いったい生きているより死んだほうが幸福だという種類の人間はたしかにいることはいるんだ。ことによれば当人ももう生きていたくないと思っているのかも知れない。ただ勇気がないばかりに自殺することができないんだ。助けてやる気はないか。しかし、君がいやなら北山がやる。そのほかにだってやりたいやつはいくらでもいる。場合によれば琴子だって一服盛るぐらいのことはやってのけるさ」というと急にわたしの手をとって、「祖父江君、鮎子がかわいそうだ。あいつはほんとうに惚れている。