Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
塩基性輝石安山岩の岩側は、数千万年の風湿のために研磨されて艶々とした滑肌になり、黒曜石のようなどっしりとした深みのある光沢を持っていた。罅隙から吹きこむ冷洌な風が、密度の低い洞中の空気に逢って急激な断熱冷却をおこし、なめらかな漆黒の岩側に無数の水玉をむすび、安全燈の光があたるごとに、微妙な閃光を発しながら眼もあやに燦きわたる。鏡のような両側の壁は、たがいにその光を反映し、はねかえし、それがまた天井の内輪へ照りかえって、洞道全体が、赫奕たる光の氾濫の中へ溺没する。やや遠い、よく光のとどかないところでは、高いところの水滴が宝石でもこぼすように、何ひとつ物音のない無限の静寂の中へキラキラとしたたり落ちていた。
いまだ、いかなる生物も足を踏み入れたことのない地球の胎内。死界。永遠の闇と夜。おそるべき寂寞。無窮の倦怠。……それは、生成第四期における地球の状態を物語りながら、しずかに死滅した輪廓を燦めかせていた。有史以前の壮大な抒情感。
しかし、洞道のこの異様な美しさも、七人の一行にはなんの感じも惹きおこし得ないようだった。六人の漁夫たちは、博士が日誌を書きおえると、待ちかねたように背嚢を背に負い博士を先頭にして、飛ぶような歩調で、また無辺際空の暗斜道を走りおりはじめた。