Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
私はフト彼の父の外遊を思い出した。
(あの外遊の御土産かも知れない……)
――私が、そんなことを考えている中にベットの上ではその人形ルミと、黒住との奇怪極まる悦楽が始まったのだ。
黒住は、無惨にも人形の着物を最後の一枚までもはぎとってしまった。そして、ぽい、と私の目の前になげすてられた時、どうしたことか、私はその着物から、ほのぼのとした甘い少女の体臭を強く感じたのだ……。
私の心は妖しく震えて来た。
(そんなことはない、人形だ)
と思いながらも。
然し私はその赤裸にされた人形の体全部に、点々とした、くちづけの跡を発見した時、私の心の隅にあった獣心が、力強く起き上って来、烈しい嫉妬に、思わず椅子をはねのけて立上った。
(夢の中の恋人だなんて――)
私はそんな美しい言葉を使った黒住が、殺してもあきたらぬように思えて来た。
やがて人形ルミと黒住との優しい愛の囁きがボソボソと聞え始めて来た時は、私の心は全く平衡を失っていた。この奇怪至極な、この世のものでない雰囲気は、私の心をすっかり掻き乱してしまったのだ。
私はテーブルの上に投出された鍵をつかむと、ぶるぶると震える手でドアーを開け、又ピンと錠をおろしてしまった。