Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
中田は淡い後悔と伴に、なんともいえぬ苛立たしさを感じてきた、そして、ついに語気を強めて、その男に訊きかけた。
『君。一体何処へ行くんだ、駅はまだなのか』
その男は、きょとんと、中田の顔を見返して
『駅? 駅へ行ってどうするんですか』
『駅へ行って、帰るんじゃないか、この寒いのに僕をどこへ連れて行こうというんだ』
『そうですか、私はまた、あなたが僕の話を聞いてくれるというんで、非常に嬉しかったんですがねェ。誰も僕の話を聞いてくれないんですからね、どうですいい景色じゃありませんか。も少し一緒に歩きましょうよ』
『莫迦な、君は一体気違いなのか』
中田は思わず腹立ちまぎれに怒鳴った。
『気違い?』
その男は気違いといわれると、急に眼に妖しい光を浮べながら
『誰でも僕のことを気違いというんですよ。世の中なんて利己的な奴ばかりだ』
彼は如何にも慨嘆に堪えない、というような顔色をみせた。そして
『それどころか僕を、到頭犯罪狂だといって、気違い病院へたたき込んだんです。……屹度あいつらの仕業なんだがね……それが昨日ですよ。だけど現に気違いでない僕には、到底あんなところにいられませんよ。