Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme

Aozora Bunko

(どうしたんだろう――)

一寸、立止っていると、呼ばれた芳っちゃんという少女と一緒に、もうあたりの学生が、

『どうかしたんですか――』

と寄って来た。

『あっ、脈がない、死んでる――』

手を握った一人の学生が、頓狂な声を上げた。

『えッ』

妹と芳っちゃんの顔が、さっと変った。

『どした、どした』

物見高い浜の群衆が、もう蟻のように蝟まって来た。

鷺太郎も、引つけられるように、その人の群にまざって覗きみると、早くも馳つけたらしいあの山鹿十介が、その脈を見ていた学生と一緒に、手馴れた様子で、抱き起していた。

『やっ、これは――』

遉の山鹿十介も、ビックリしたような声を上げた。

『お――』

すでに、輪になった海水着の群衆も、ハッと一歩あとに引いたようだ。

その、美少女の左の胸のふくらみの下には、何時刺されたのか、白いのついた匕首が一本、無気味な刃を衂して突刺っているのだ。

そして、抱き起された為か、その傷口から滾れ出る血潮が、恰度、その深紅の水着が、海水に溶けたかのように、ぽとり、ぽとりと、垂れしたたっていた。

あたりは、ギラギラと、目も眩暈むような、明るい真夏の光線に充たされていた。