Japanische Klassiker mit Furigana
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.233 Zeichen · 223 Bildschirme
吉見は、口をへの字に曲げて頷いた。
「ところで、だいぶお邪魔しましたが、ぼくは九里峡の方に出たいと思うのですが、……」
川島は、吉見からくだくだしい挨拶とともに、九里峡へ通ずる自動車道路までの道順を教わった。
その道順は、何百歩置きかにある草木を目印としたもので、とても二度と再びその路を逆に此処まで来られそうもなかった。寧ろ吉見はそれを望んで、わざとそのような教え方をしたのではないか、とも思われる。
川島は、思いがけぬことに時間をとってしまい陽のあるうちに目的地に行けるかどうかを危ぶみながら、しかし一方では、吉見さえ嫌な顔をしなかったならば、あのままに別れて来た洋子たちにもう一度あって確かめたかったのだけれど、吉見はなぜかそれを喜ばぬような素振りだった。
そして、小屋のドアから送り出されると、沼とは反対の、教えられた森の中へ帰りはじめた。
三つ目の目印のところで立止った時は、もう一度引かえそうかと思った。
だが、振りかえって見ると、こちらからでは此処へ来るまでに過ぎて来た目印が、もうわからなくなってしまっていた。
四つ目の目印である葡萄の花のところまで来て、またもう一度振りかえった。