Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいにきらわる
怪異に嫌わる
豊島 与志雄
Lesen Sie 怪異に嫌わる (かいいにきらわる) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.560 Zeichen · 10 Bildschirme
坪井に出て、僕に出ないわけはあるまい。電灯も消して真暗な中に夜中起きていてやろう。と努めてみたが、眼覚むればすぐ起上る代りに寝ればすぐ眠るのが癖で、早くから寝たためにその数日、充分すぎるほどの睡眠が取れた。怪談も何かの役には立つものだ。本当にお化が居てくれたらいろいろの役に立とう。少くとも子供たちにはお伽噺の代りになろう。子供たちにとって、近代では、もう妖精や怪物は死に失せてしまったし、魔法使は姿を消してしまったし、王子様やお姫様なども居なくなってしまったし、奇妙な花や虫の美しさも消えてしまったし、つまりお伽噺がなくなったのだ。だからここに、青江の妖刀のお蔭でお化が復活するとしたならば、どんなに素晴らしい効果を来すことだろうか。
私の家には十歳から十五歳までの子供たちが三人いた。私は彼等が寝静まった頃を見はからい、その寝室にひそかに忍びこみ、彼等が枕を並べて眠ってる頭の方、床の間に、青江の刀を置いてきた。そして翌朝、昨晩なにか夢をみなかったかと尋ねてみたが、三人ともけろりとして、眼瞼に夢の気配さえない。
私は彼等の前へ刀を持ってきて、刀にまつわる怪談を話してやった。