Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいくろひめおろし
怪異黒姫おろし
江見 水蔭
Lesen Sie 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.963 Zeichen · 26 Bildschirme
それから又佐渡の金山を開いて大当りをして、後には大久保の苗字を賜わり、大久保石見守長安とまで出世したのじゃが、それ程の才物ゆえ、邪智にも長けていて、私かに佐渡吹きの黄金を隠し置き、御役御免になっても老後の栄華、子孫の繁盛という事を考えて、江戸へ運び出す途中に於て、腹心の者と申し合せ、幾度にも切って人を替え、時を変え、黒姫山麓に埋蔵したという筋道じゃ。それも頗る巧みなる遣り口でのう。腹心にはことごとく武田家の浪人筋を用い、軍用金として佐渡の黄金を溜めて置き、時機を見て、武田家再興の大陰謀を企てるのじゃで、随分忠勤を励まれよと言い含め、一方公儀に向っては、信州黒姫山の麓には、金脈有り気に見えまするで、佐渡へ上下の折々に試掘致しとう御座りまする。但し人目に触れぬように内密に立廻り致しますると、ウマイ事を言上して置き、腹心の者にあちらこちらと掘り散らさせ、その後へ又他の腹心を遣わして、密かに佐渡の金を埋め隠したのじゃ」
「佐渡の金山奉行、大久保石見守という方の噂は、能く聞いておりました」
「黄金一箱、十二貫目入り、合せて百箱を五十駄積の船に載せ、毎年五隻から十隻と、今町津まで積み出された。