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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいくろひめおろし

怪異黒姫おろし

江見 水蔭

Lesen Sie 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.963 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

「たわけな武者修業奴、剣法では汝には勝てぬけども、鎌の手の妙術、自然に会得した滝之助だ。むざむざ尻叩きを食うものか」

冷笑の裡に再び印籠を取り上げた。

「これで八十六になった」

二

美少年滝之助は越後領関川宿の者、年齢は十四歳ながら、身の発育は良好で、十六七にも見えるのであった。それで又見掛けは女子に均しい物優しさ、天然の美貌は衆人の目につき、北国街道の旅人の中にも、あれは女の男に仮装したものと疑う者が多いのであった。

それが鎌遣いの名人、今日はここで荒熊の如き武道者をさえ殺したのであった。見掛けに依らぬ大胆不敵さ、しかも印籠盗みの罪を重ねて八十六とまでに数えるとは。

それには遺伝性も有った。時代と境遇との悪感化も加わった。祖父は野武士の首領で、大田切小田切の間に出没していた。それが上杉謙信の小荷駄方に紛れ入って、信州甲州或は関東地方にまで出掛け、掠奪に掛けては人後に落ちなかったが、余りに露骨に遣り過ぎたので、鬼小島弥太郎に見顕されて殺されたという。

父は岩五郎と呼び、関川の端れに怪しき旅人宿を営んでいたが、金の有る旅客を毒殺したとの疑いで高田城下へ引立てられ、入獄中に牢死した。