Japanische Klassiker mit Furigana
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こいとじってときんちゃくきり
恋と十手と巾着切
山中 貞雄
Lesen Sie 恋と十手と巾着切 (こいとじってときんちゃくきり) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.138 Zeichen · 25 Bildschirme
三次面喰った。「何をするんだ。このガキ」
と紙入れを引ったくって遙かの方へ投げ捨てる。今度は勝坊が面喰った。
三次は勝坊の頭を撫でて、
T「いい子だから早く帰んな」
と言い捨てて急ぎ足に去る。(O・Lして)
S=他の道――
ブラブラ鼻唄、唄って歩く三次の移動。
ややあって一人の遊び人とすれちがう。
それから五六間歩いて三次はほくそ笑んだ。
今の遊び人から掏り盗った紙入れを取り出し、中味を抜いて空の紙入れを捨てんとして、フッと思い出して立ち止った。振り返った。なんだ勝坊がまだついて来て居る。
三次うんざりした。少し荒々しく、
T「帰れったら帰らねえか?」
叱られて勝坊しょげた。
相手がしょげると三次一寸可哀相だと思った。
「帰れよ、なッ」
と言うと、今度は勝坊メソメソ泣き出した。
三次「勝手に泣きゃがれ!」と、くるっと踵を返して走り出す。
勝坊も後から走り出す。
S=ある曲り角
三次走って曲る。
少し遅れて勝坊も続いて曲る。
S=他の曲り角
三次走って曲る。
走る三次。
走る三次。
S=ある十字路
三次走って来て角を曲って振り返った。
もうつけて来ないのを知ると、やっと安心する。