Japanische Klassiker mit Furigana
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れんあいきょくせん
恋愛曲線
小酒井 不木
Lesen Sie 恋愛曲線 (れんあいきょくせん) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.514 Zeichen · 26 Bildschirme
そこで僕も決心して、愈よ恋愛曲線の製造に取かゝろうとしたのだ。
君! 僕は今この手紙を、研究室の電気心働計の側に置かれた机の上で認めつゝあるのだ。まさか生理学研究室で、深夜恋愛曲線の製造が行われようと思うものはあるまいから、誰にも妨げられずに計画を遂行することが出来るのだ。夜は森閑として更けて行く。実験用に飼ってある犬が、庭の一隅で先刻二声三声吠えた後は、冬近い夜の風が、研究室のガラス窓にかすかな音を立てゝ居るだけだ。僕に心臓を提供した女は、今、僕の足許に深い眠に陥って居る。先刻、僕が恋愛曲線製造の順序と計画を語り終ると、彼女は喜び勇んで、多量のモルヒネを嚥んだのだ。彼女は再び生き返らない。彼女がモルヒネを嚥むなり、僕はロック氏液の加温を始め、電気心働計の用意を終り、それから、この手紙を書きにかゝったのだ。モルヒネを嚥んでから、彼女はうれしそうに、僕の準備する姿を見て居たが、この手紙を書きにかゝる頃、遂に眠りに陥ちた。何という美しい死に方だろう。今彼女は軽い息をして居るが、もう二度と彼女の声を聞くことが出来ぬかと思うと、手紙書く手が頻りに顫える。