Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lesen Sie 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.713 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

「あたくし、誰かに逢いたいのですが」

「イヤ尤もです。そのうち誰方か見えましょう」

そんな会話が繰返されているうちに、夜更けとなった。このとき病院の玄関に、一人の男が訪れた。院長の許可が出て、上へあげられた彼は、矢走千鳥の病室に通った。

「まあ、西さん。――よく来て下すったのネ」

西はただニコニコ笑うだけだった。

「誰も来て下さらないので、悲しんでいたところですわ」

「僕は、ソノ青竜王から行って来るように頼まれたんです。当分外に誰も来ないでしょう。院長から許しが出るまで、一歩も寝台の上から降りないことですネ」

「ええ、貴方が仰有ることなら、あたくし何でも守りますわ。……ねえ、西さん」

「なんです、千鳥さん」

「あたくし、貴下に、どんなにか感謝していますのよ。お分りになって……」

「感謝?――僕は何にもしませんよ。ああ、助けられたことですか。あれなら青竜王に感謝して下さい。……イヤ、そんなことを今考えるのは身体に障りますよ。何ごとも暫くは忘れていることです。誰かが聞いても、何にも喋ってはいけません。千鳥さんは当分、生ける屍になっていなくちゃいけないんですよ、いいですか」