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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lesen Sie 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.713 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

間もなく一郎は、目的の繁みに出た。それは灌木の欝蒼とした繁みで、足の踏み入れるところもないほどだった。彼は下枝を静かにかきわけながら前進した。もう屍体のある場所は間近かの筈だった。

「うん、あすこだ」

繁みの葉の間からは、向うに丸い芝地が見えた。近くに電灯がついているらしく、黄色く照し出されていた。その真中には、紛れもなく、力なく投げだされた青白い弟の腕が伸びていた。

すると、そのときだった。奇怪なことにも、その屍体の腕が生き物のようにスルスルと芝草の上を滑りだした。あの大傷を受けた弟が生きかえったのであろうか。いや絶対にそんなことがありよう筈がない。すると――

「あの怪人めが屍体にたかって、また破廉恥なことをやっているのだな。よオし、どうするか、いまに見ていろ!」

彼の全身は争闘心に燃えた。こうなってはもう誰の救いも要らない。愛する弟のために、この一身を投げだして、力一杯相手の胸許にぶつかるのだッ。

「さあ来いッ」

彼は一チ二イ三ンの掛け声もろとも、エイッと繁みの中から芝草の上へ躍りだした。

「さあ来いッ――」

……と躍りだしてはみたが、そこには思いもよらず――