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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lesen Sie 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.713 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしそれは確かに口笛に違いなかった。次第に明瞭になる旋律。ああそれは赤星ジュリアの得意な「赤い苺の実」の旋律――しかしこの場合、なんという恐ろしい口笛であったろう。暗い壁が魔物のように、かの怪しい旋律を伴奏した。……と、突如――まったく突如として、魂切るような悲鳴が地底から響いて来た。

「きゃーッ、う、う、う……」

しかし、それきりだった。悲鳴は一度きりで、再び聞えてこなかった。

戦慄すべき惨劇が、その地底で行われたのだった。その現場へ行ってみよう。

これはまた何という無惨なことだ。――そこはもう行き止りらしい地底の小室だった。一人の男が、虚空をつかんでのけ反るように斃れている。その傍には大きな箱が抛り出してある。蓋を明け放しだ。中から白いものがチラと覗いているが、よく見れば気味の悪い骸骨だった。そしてそのまわりには丸い金貨がキラキラと輝いている。金貨は地面にもバラバラと散乱している。その側には一片のひきちぎれた建築図が落ちている。それは痣蟹の秘蔵の図面に違いなかった。――それ等の凄惨な光景は、一つの懐中電灯でまざまざと照らし出されているのであった。