Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうりゅうていのぼうけん
恐竜艇の冒険
海野 十三
Lesen Sie 恐竜艇の冒険 (きょうりゅうていのぼうけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.806 Zeichen · 22 Bildschirme
五個のヤシの実は、やっと両手に抱えて持ちはこびができる。ぼくとサムとは、うんうんいいながら林を出て、艇のつないである湾の方へよたよた歩いていった。
そのときである。サムが、「あっ」といって立ちどまった。
「どうした、サム」と、ぼくはたずねた。
「うむ。ぼくの目はどうかしているらしい。恐龍の首が二つ見えるんだ」
「あははは、何をいっているか」
と、ぼくはばかばかしくなって、湾の方を見た。
「あっ!」
ぼくの腕からヤシの実がころがり落ちた。ぼくの膝は急にがくがくになった。のどがからからになって、声がでなくなった。なぜ? なぜといって、ぼくは見たのだ。ぼくらの恐龍のそばに、もう一頭の恐龍が長い首をのばし、口を開いたり閉じたりして、のそのそしているのであった。それに、作り物の恐龍でないことは、一目で分かった。大きな胴が、マングロープをめりめりと押し倒している。長い尻尾が、ぱちゃんと大きくヤシの梢を叩く。ころころとヤシの実がころがるのが見える。ほんものの恐龍だ。
「逃げよう、本物の恐龍だ」
サムもこのとき悟ったと見え、ぼくの腕をとった。ぼくは無言で廻れ右をして走り出した。