Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうりゅうていのぼうけん

恐竜艇の冒険

海野 十三

Lesen Sie 恐竜艇の冒険 (きょうりゅうていのぼうけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.806 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

「だって、ぼくはこれからそっと湾の方へ行って、本物の恐龍がどうしているか見てこようと思うんだ。しかし、もし恐龍の鼻がよくきくんだったら、ぼくが近づけば、恐龍に見つかって食べられてしまうからね」

「恐龍の臭覚は鈍感だと思う。なぜといって、ぼくらの作り物の恐龍のそばまで行っても、まだ本物かどうか分かりかねていたからね」

「じゃあ行ってみよう」

「ぼくも行く」

ぼくたちは、足音を忍びつつおそるおそる湾の見えるところまで行った。

「おや恐龍はいないぞ」

「ほんとだ。今のうちに、恐龍号に乗って逃げようよ」

「よし、急げ、早く」

今から考えると、そのときどうして恐龍号にとびこんだか、どうして出帆したか、昇降口は誰がしめたのか、そんなことはすこしも記憶していない。とにかく生命を的にして、早いところ片づけて、沖合いめがけて逃げ出したのだ。もちろん潜航なんかしない。浮上したままの全速力で白浪をたてて走った。気が気ではなかった。今にも恐龍が追いかけて来るかと……。

ギネタ湾頭の浅瀬に艇をのしあげて、ぼくたちは「やれやれ助かった」と思った。ぼくたちは艇をとび出して、水を渡って海岸の砂の上に馳けあがり、気のゆるみで二人とも、人事不省に陥った。