Japanische Klassiker mit Furigana
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うらみなきさつじん
恨なき殺人
宮島 資夫
Lesen Sie 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) von 宮島 資夫 (みやじますけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.611 Zeichen · 56 Bildschirme
二人は黙って睨み合っていた。
「お待遠さまでした」と、しばらくしてから三田は涼しそうな単衣ものをきて、洋傘を手にして入って来た。
「では」と刑事等は起ち上って、
「一寸拝借して行きます、が、何この人は大丈夫です」と念を押すように言って、三田を真中にして上って行った。
岩片捨て場の崖の上には、坑夫や掘子が、ズラリと並んで、眼を光らせていた。
誰か飛び出して、三田を取り返すようなことにならないかしらと、池田は心の中に望んでみた。けれども、それは矢張り無駄であった。やがて彼等の姿は、峰の向うに消えてしまった。
池田がぐずぐずと見張りの方へ登って行く後ろから、
「オイ、待てよ」と呼んだものがあった。
振り返ってみると、製図室の前に、鈴木が息を切らせて、汗をダラダラ流して立っていた。池田が後へ戻ると鈴木はその室の中へ入ってから、
「切ったものが解ったよ」と小さな声で囁いた。
「じゃ、三田じゃないんだね」
「松田だ、俺あ驚いてしまった」と言ってから、
「さっきあれから飯場へ行って、萩野といろいろ相談してると、松田が仕事着のまんまでひょこっと帰って来て、三田の兄弟が引っ張られるっていうけど、切ったな私だって言うんだ。