Japanische Klassiker mit Furigana
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うらみなきさつじん
恨なき殺人
宮島 資夫
Lesen Sie 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) von 宮島 資夫 (みやじますけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.611 Zeichen · 56 Bildschirme
「それじゃ、もう別に何も用はないね」と念を押してから、
「萩野君、君はあっちの茶屋に孫根の巡査がいるから、呼んで来てくれないか。どうせ彼奴は見たんだから、後から追かけて来て、逮捕するなんて言われてもつまらないから」と萩野に頼んだ。
「そうですとも、呼んで来ましょう」と言って外に出たが、萩野は間もなく巡査を連れて来た。
「先刻はどうも失礼しました」と、萩野に話を聞いたのか、巡査はニコニコしながら入って来た。
「実は塩子の犯人と言うのはこの男だそうですが、あなた方が帰って行かれてから、自首をすると言って出て来たので、附き添って来たんです。此処でお渡ししても、自首したことになりますかしら」と池田が訊くと、
「ええ、自首にします。私はあれからその、この方面を警戒するように言われて、裏山を廻って来たとこで、丁度好いところでした」
犯人を手に入れた巡査は、嬉しそうに受け合った。
「この男は十九だそうですが、丁年未満だし、自首したとすれば、大したことはないでしょうな」
池田は気遣わし相に訊ねた。
「ええ、そうですとも、それに初犯ではあるし、ことに先方の寅吉の素行も悪かったのですから」