Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょうぞうのちち
恭三の父
加能 作次郎
Lesen Sie 恭三の父 (きょうぞうのちち) von 加能 作次郎 (かのうさくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.742 Zeichen · 20 Bildschirme
六つになる女の子が餡がこぼれて炉の灰の中へ落ちたのを拾って食べた。恭三は見ぬ振りをして横を向いた。
三十分程たって六平は女房と一緒に帰って来た。恭三の父はまだ帰らなかった。併し六平の女房と村の入口まで一緒に来たことは女房の話で分った。
六平の女房が、富来の町から八町程手前の小釜の森の下まで来た時、恭三の父は只一人暗がりに歌を唄いながら歩いて居た。もう此時分は祭見物に行ったものは大方帰って了って、一里の浜路には村の者とは誰にも遇わなかった。亭主や子供に遇わないので如何したことかと心配しながら淋しいのを堪えて小釜の森まで来た。此処は昔から狐が出るので有名な所である。六平の女房は淋しい淋しいと思いながら行くと向うの方から歌声がするので非常に吃驚した。そしてそれが恭三の父であったので尚更驚いた。恭三の父は足元も危い位に酔って居た。六平の女房を見ると突然、「貴様何しに来た?」と呶鳴ったので女房はヒヤッと飛び上ったそうである。子供を迎いに来たのだと言うと、「馬鹿! 今時分まで何して居るもんか、疾うに帰って了った。富来にも誰も村の者は居らんさかい帰れ帰れ。」と言った。