Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうゆうそう
悠々荘
Lesen Sie 悠々荘 (ゆうゆうそう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.749 Zeichen · 4 Bildschirme
の後ろへ廻って見た。そこにはもう赤錆のふいた亜鉛葺の納屋が一棟あった。納屋の中にはストオヴが一つ、西洋風の机が一つ、それから頭や腕のない石膏の女人像が一つあった。殊にその女人像は一面に埃におおわれたまま、ストオヴの前に横になっていた。
「するとその肺病患者は慰みに彫刻でもやっていたのかね。」
「これもやっぱり園芸用のものだよ。頭へ蘭などを植えるものでね。……あの机やストオヴもそうだよ。この納屋は窓も硝子になっているから、温室の代りに使っていたんだろう。」
T君の言葉はもっともだった。現にその小さい机の上には蘭科植物を植えるのに使うコルク板の破片も載せてあった。
「おや、あの机の脚の下にヴィクトリア月経帯の缶もころがっている。」
「あれは細君の……さあ、女中のかも知れないよ。」
Sさんは、ちょっと苦笑して言った。
「じゃこれだけは確実だね。――この別荘の主人は肺病になって、それから園芸を楽しんでいて、……」
「それから去年あたり死んだんだろう。」
僕等はまた松の中を「悠々荘」の玄関へ引き返した。花芒はいつか風立っていた。
「僕等の住むには広過ぎるが、――しかしとにかく好い家だね。