Japanische Klassiker mit Furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme
と嬶さんは世辞が好い。
「や、お嬶さん、今日は一人で来たけれど、お茶代はズッと張込むよ。小判一枚、投げ出すよ」
「へへへへ、どうか沢山お置き下さいまし」
「いや、冗談じゃア無い、真剣なんだ。その代り悉皆こっちの味方になって、大働きに働いて貰わなければならないんだがね」
「へえ、お宝になる事なら、どんなにでも働きます」
「実は、例の羽田の弁天娘、女船頭のお玉に就いてな」
「分りましたよ。どうもそんな事だろうとこの間内から察しておりましたよ。お玉坊がブラブラ病。時々それでも私のところへだけは出て来ましてね。この間の御武家様は、未だ入らッしゃらないかッて、私を責めるんですから困って了います」
「お玉坊がブラブラ病とは不思議だね。実はこちらでも若殿がブラブラ病。ブラとブラとの鉢合せでは提灯屋の店へ颶風が吹込んだ様なものだ」
「なんですか知りませんが、あれは本物で御座いますよ。初めて男の優しさを知ったので御座いますからね。でもお玉が惚れるのも道理で御座いますよ。あんな立派な殿様は、羽田の漁師町にはありませんからね」
「それは無いに極っている」
「似合の二人、どうにかして夫婦にして遣りたいと思いますが、何分にも身分が身分ですからね」