Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくいんねんのうらみ

悪因縁の怨

江見 水蔭

Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

別当は真言宗にして、金生山龍王密院と号し、宝永八年四月、海誉法印の霊夢に由り……」

「宗匠、手帳を出して棒読みは恐れ入る。縁起を記した額面を写し立のホヤホヤでは無いかね」

「実は、その通り」

他愛の無い事を云っているところへ、茶店の嬶さんが茶を持って来た。

「お暑う御座いますが、お暑い時には、かえってお熱いお茶を召上った方が、かえってお暑う御座いませんで……」

「酷くお暑い尽しの台詞だな。しかし全くその通りだ。熱い茶を暑中に出すなんか、一口に羽田と馬鹿にも出来ないね」

「能く江戸からお客様が入らッしゃいますで、余まりトンチキの真似も出来ませんよ」

「それは好いけれど、何かこう、茶菓子になる物は無いかえ。川上になるが、川崎の万年屋の鶴と亀との米饅頭くらい取寄せて置いても好い筈だが」

「お客様、御冗談ばかり、あの米饅頭は、おほほほほ。物が違いますよ」

「ははは。羽田なら船饅頭だッけなア」

二

そこへ中間の市助が目笊の上に芦の青葉を載せて、急ぎ足で持って来た。ピンピン歩く度に蘆の葉が跳ねていた。

「やア市助どん、御苦労御苦労。何か好い肴が見附かった様だね。蘆の下でピンピン跳ねているのは、なんだろう」