Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Lesen Sie 悪獣篇 (あくじゅうへん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.715 Zeichen · 73 Bildschirme
「ほんとうに夫人、気を落着けて下さらんでは不可ません。突然海へ飛込もうとなすったりなんぞして、串戯ではない。ええ、夫人、心が確になったですか。」
声にばかり力を籠めて、どうしようにも先は婦人、ひとえに目を見据えて言うのみであった。
風そよそよと呼吸するよう、すすりなきの袂が揺れた。浦子は涙の声の下、
「先生、」と幽にいう。
「はあ、はあ、」
と、纔かに便を得たらしく、我を忘れて擦り寄った。
「私、私は、もう死んでしまいたいのでございます。」
わッとまた忍び音に、身悶えして突伏すのである。
「なぜですか、夫人、まだ、どうかしておいでなさる、ちゃんとなさらなくッては不可んですよ。」
「でも、貴下、私は、もう……」
「はあ、どうなすった、どんなお心持なんですか。」
「先生、」
「はあ、どうですな。」
「私が、あの、海へ入って死のうといたしましたのより、貴下は、もっとお驚きなさいました事がございましょう。」
「……………………」
何と言おうと、黙って唾を呑む。
「私が、私が、こんな処に船の中に、寝て、寝て、」
と泣いじゃくりして、
「寝かされておりましたのに、なお吃驚なさいましてしょうねえ、貴下。