Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
学年のクラス会幹事の改選には、津田氏を蹴って彼が新幹事として登場したのである。私は、東京、大阪から来た生徒が、東北を田舎あつかいにして軽蔑する態度にも賛成できなかったが、しかし、それに対して東北の地元の生徒たちが陰険に何かしめし合せて卑屈な仕返しをしようとする傾向にも承服できないものがあった。殊に私自身が東北人の端くれであるから、そんな田舎者のひねこびた復讐心を見せつけられた時には、自己嫌悪みたいなものも加えられて、東京、大阪の生徒よりも一層つよく地元の生徒を憎みたい気が起って来るのである。
「殴っちゃいけない。それは、私闘だ。」と津田氏は、私が興奮しはじめたら、急に落ちつき払った態度を示し、「相手は、矢島ひとりではない。田舎っぺいの取巻きがたくさんいる。僕はこの機会に、あいつらの排他的な思想を膺懲してやろうと思っているのだ。お互いに紳士じゃないか。思想の合戦で行こう。」
「でも、津田さん。私も田舎っぺいですよ。」どんな意味で使ったにせよ、私には、田舎っぺいという言葉は耳に快くなかった。地元の矢島も頗る面白からぬ人物だが、しかし、こんな言葉を使用する東京人の津田氏の心理もあんまり高潔とは言えない、どっちもどっちだ、と思い直してしまった。