Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
文芸に対するこのような解釈は、私には少しも退嬰的なものとは考えられない。かえって非常に、健全なもののように思われる。このような行き方ならば、私たち文芸の門外漢にも、その大きい実力が、ぼんやり感ぜられて来るのである。その日であったか、また、別な日であったか、周さんは更にこんな即興の譬話でもって私を啓発してくれた事があった。
「難破して、自分の身が怒濤に巻き込まれ、海岸にたたきつけられ、必死にしがみついた所は、燈台の窓縁。やれ、嬉しや、と助けを求めて叫ぼうとして、窓の内を見ると、今しも燈台守の夫婦とその幼い女児とが、つつましくも仕合せな夕食の最中だったのですね。ああ、いけない、と男は一瞬戸惑った。遠慮しちゃったのですね。たちまち、どぶんと大波が押し寄せ、その内気な遭難者のからだを一呑みにして、沖遠く拉し去った、とまあ、こんな話があるとしますね。遭難者は、もはや助かる筈はない。怒濤にもまれて、ひょっとしたら吹雪の夜だったかもしれないし、ひとりで、誰にも知られず死んだのです。もちろん、燈台守は何も知らずに、一家団欒の食事を続けていたに違いないし、もし吹雪の夜だとしたら、月も星も、それを見ていなかったわけです。