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Japanische Klassiker mit Furigana

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あいとにんしきとのしゅっぱつ

愛と認識との出発

倉田 百三

Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

かばかりいかめしき大自然の生成にわれらの主観が欠くべからざる要素であることに気がつくとき、われらはいまさらのごとく生命を痛感せずにはいられない。われらの享ける一個の小さき ego のなかに封じられたる無限の神秘を思わずにはいられない。かくて眼前に横たわる一個の石塊もわれらにとっては不可思議であって、彼我の間の本質的関係を考えずには生きられなくなる。じつに認識の「おどろき」はいのちの自覚である。深遠なる形而上学はこの「おどろき」より出発しなければならない。『善の研究』が倫理を主題としながらも認識論をもって始まっているのは偶然でない。私はまず氏の哲学の根本であり、骨子である認識論より考察を始めなければならない。

氏の認識論の根底は radical empiricism である。厳粛なる経験主義である。近世哲学の底を貫流する根調である経験的傾向を究極まで徹底せしめて得たる最醇なる経験である。自己の意識状態を直下に経験したときいまだ主もなく客もなき、知識と対象とが全く一致している、なんらの思惟も混じない事実そのままの現在意識をもって実在とするのであって、氏はこれを純粋経験と名づけている。