Japanische Klassiker mit Furigana
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
Lesen Sie 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 64.420 Zeichen · 129 Bildschirme
私は生命の内部にただいたずらにおのれを主張せんとする盲目的なる暴力を意識せずにはいられなかった。生きんとする意志のむやみなる不調和なる主張を痛感せずにはいられなかった。この頃から人なみすぐれて強烈なる性欲の異常なる狂奔を持てあましていた私にはこの盲目力がいっそう力強く感ぜられた。なんという取り返しのつかぬ不調和な地位に置かれたる生であろう! 私はこの痛ましき生をまじまじ見守りながら、それでも引きずられるようにして生きてゆかねばならなかった。この頃私にとりては愛ほど大きな迷妄はなかった。また犠牲ほど大きな生活の誤謬はなかった。この二つのものは私には全く理解せられなかった。私はキリスト教徒について愛の話も聞いてみた。また書を漁って犠牲の理論も読んでみた。けれども皆私の心を動かす根本的の力を欠いていた。なぜというに私の利己主義はその根を認識論の上に深く張っている。私が唯我論から利己主義に達する過程は論理的必然の強迫である。私を利己主義から離れしむるものは私の独我論を根底より動揺せしむる認識論でなければならなかった。
しかしながら悲しいことには私は形而上学的に叙述された愛と犠牲との書物に接することができなかった。