Japanische Klassiker mit Furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Lesen Sie 愛のごとく (あいのごとく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.908 Zeichen · 210 Bildschirme
それもたくさん手をのばして貯めこみたいんじゃなく、一度握りこんだらもう放すのがいや、といったお婆さんみたいなケチなのです。)
もし、いらっしゃらなくても、私は貴方が来ないのを納得するためにも、一時間くらいはぼんやりと立っています。立っているから。……私の身勝手さに、すこし心配だけど、でも来て下さると信じています。わざと返事の余裕がないように、今日、といいます。午後六時に、渋谷の駅前で待っています」
私は六時きっかりに下宿を出ると、いつものとおり本屋でしばらく新刊書の立ち読みをしてから、ラジオ・スタジオのある方角に向かうバスにのった。
ふと、私は思っていた。おれは、かつて一度でも富子に本当の愛をもとめたことがあったろうか? おれはつねに自分たちの位置の明確さとか、輪郭とか、関係の距離とか均衡とか、そんな自分だけの納得を必死で追いもとめて、ついにそれらへの関心から、自由になることができなかった。……そのとき、突飛な考えが私の胸をはしった。おれは、むしろ真理子を愛していたのではなかったのか?
――どっちでもいい。思い、私は苦笑していた。それも、たぶん真理子が死に、彼女への感情にある輪郭がうまれつつあることで思いついた、たわ言にすぎないのだ。